先日はかなり久しぶりに天草は苓北町へ。
他界されたお父様が集めておられた品々を査定して欲しいとのご依頼でした。依頼者の息子様は現在天草市内にお住まいでしたので、双方の都合を合わせて日時をお約束し苓北町のご実家へ。
ご実家には2メートルを超える有田焼の大きな飾り壺や三尺を超える大皿など、1980年代から90年代前半でしょうか、バブル経済に沸く日本の良い時代に流行した富の象徴とも言える品物がずらり。当時の好況な日本経済の勢いもあり、今では到底考えられないような高額な価格で取引されていたという有田焼の飾り壺や大皿。しかしながら令和となった現在、大きく重い置物類や家具類が敬遠される住宅事情など、需給のバランスは大きく崩れており、どんなに利益を削った査定をしたとしても、当時の販売価格とはかけ離れた査定金額となってしまいます。
古物で流通価格は、当時の購入金額がどんなに高価であったとしても、残酷なほど“今現在の需要が強いか弱いか“で決まります。
私どもは、少しでも高く買取りできるよう、より強い販路を開拓し続けることは当然としても、世の中の流れで形成された相場には逆らうことはできません。故に相場から算出する査定金額でお客さまをがっかりさせてしまうことがあるかも知れません。
がっかりされる事があったとしても、現在の業界の状況を正直にご説明し、お客さまに納得して気持ちよくお売り頂けるよう愚直に精進していく他ありません。
今回のお客様にもご納得のうえ、快く買取りさせていただけたのですが、お父様が熱心にお集めになられたお品が、思っていたよりも高く評価されなかった事は、そのコレクション自体を否定するものではないので、これから遺品の整理をされるかもしれないお客様も含めてご理解いただだければと存じます。
くどいようですが品物には「流行り」と「廃り」が必ずついて回り、それによって相場は形成されます。当社はこれからも最新の相場をしっかりと見極めて、お客さまにとって役に立つ買取り業者となれるよう、努めてまいります。
T様、この度は熊本骨董の出張査定と買取りをご利用頂き誠にありがとうございました。
苓北の海は最高に美しい海でした!!